・投資の勧誘を受けている
・必ず儲かると言われた
・高利回りの商品ってどうなの?
という人に向けて、投資詐欺の代表例「ポンジ・スキーム」についてまとめました。
ポンジ・スキームは昔からある代表的な投資詐欺ですが、手口はいたってシンプルです。
しかしながら、未だに騙される人が多いのが実態です。
騙される人の共通点は金融知識がないということです。
注意ポイント
FXの必勝法が入っているUSBメモリ
未公開株
元本保証
自動売買ツール
暗号資産
不動産投資
海外物件など世の中にはありとあらゆる投資詐欺が身近にあります。
何故か怪しい会社ほどシンガポールに会社があります。
この記事を書いた人
- X:旧Twitter(@gonchan38915)で投資について投稿
- アベノミクス時代に証券会社に勤務
- 5年で金融資産1,100万円到達
- FP資格を保有
ポンジ・スキームの由来のチャールズ・ポンジについて
ポンジ・スキームとは1910年代〜1920年代にアメリカで詐欺活動を行ったイタリア出身のチャールズ・ポンジという詐欺師の名前から来ています。
ポンジはアメリカのレストランで働き、カナダに移住し、銀行に勤めます。
イタリア語と英語が話せることが評価され、マネージャーまで昇進しますが、銀行が倒産してしまい経営者が逃亡してしまいます。
そのカナダの銀行は金利6%を謳っており、多くの人たちのお金を集めていました。
三菱UFJ銀行の普通預金の金利は0.001%です。
あなたはどちらの銀行にお金を預けたいでしょうか?
当然カナダの銀行ですよね。
この6%という高い利率で資金を集めて、集めた資金で利息を支払います。
ポイントは、きちんと利息を支払うことです。
何故ならば、利息をきちんと支払うことで顧客を信用させることができるためです。
そうすると更に多くの資金が集まるので、その資金も利息を支払うことに使用します。
ですが、いつか集めた資金は底を尽きてしまい利息を支払うことができなくなります。
そのためポンジが勤めていたカナダの銀行の経営者はメキシコに資金を持って逃亡してしまいました。
チャールズ・ポンジはこの時の経験を元にアメリカで詐欺活動を働いたのではないかと言われています。
ポンジは国際返信切手券の制度で、切手の交換レートと実際の外貨レートの差があり、利ざやを得ることに着目し1919年に投資会社を立ち上げました。
国際返信切手券とは金券のようなもので、イタリアで購入した金券をアメリカで高く売った(利ざやを稼ぐ)と考えて頂いて問題ありません。
当時アメリカは第一次世界大戦とは無縁で好景気だったこともあり、設立5ヶ月目には250万ドル(現在の価値だと35億円以上)もの資金がポンジの手元に集まってきました。
翌月には1週間で100万ドルもの資金が集まるようになります。
そして、ポンジはハノーバー信託銀行を買収し、支店を展開していきます。
一見順調満帆に見えますが、実はポンジは全く資産運用をしていませんでした。
勤めていたカナダの銀行のように、新たに入ってくる資金で利息を支払い続けていました。
ただ、ポンジの手元にはボストンの富裕層のお金や、ボストン警察のお金など新たな資金が入り続け、資金が増えていく一方でした。
ポンジとしても利益をなんとかして出したかったようで、食品会社など複数の会社を買収し、経営しようと試みますが、上手くいきませんでした。
不信感を感じた投資家も居たようで、マスコミ、司法当局の本格的な調査が入りました。
財務状況を調査したところ、ポンジが現在の運用を維持するためには1億6000万もの国際返信切手券が必要でしたが、たったの2万7000しか購入していなことが発覚しました。
同時に監査報告が公表され、少なくとも700万ドル(現在価値で100億円)負債を抱えていることが判明し、遂に逮捕されました。
ポンジ・スキームとは
ポンジ・スキームとは「出資金として受け取ったお金を、あたかも運用して利益が出たかのように、元本から配当金として支払うこと」です。
例を挙げさせて頂きます。
Aさん(詐欺師)から元本保証で利率30%の金融商品を勧められたとします。
その金融商品に100万円投資します。
1ヶ月後に3万円の配当金を受け取ります。
2ヶ月後に3万円の配当金を受け取ります。
配当金を受け取ったため利率30%は本当だと信じ込んでしまい、より多くの投資をした方が得られる配当金が多くなるため、今度は1000万円投資します。
1000万円投資すると、1年間で300万円の配当を受け取ることができますよね。
このタイミングでAさん(詐欺師)は多額の出資金を持ち逃げし、音信不通となり、初めて詐欺だったことに気付きます。
これが、ポンジ・スキームです。
ポンジ・スキームの金融商品の種類としては、未公開株、暗号資産、仮想通貨、海外資産、元本保証の債券、不動産投資、高利回りの商品など様々です。
TKOの木本さんも上記のような手口で騙され、更にはノブコブの吉村さんや多くの芸人を巻き込んでしまいました。
週刊誌によると、TKOの木本さんは芸人関係、業界関係者から7億円ものお金を集め、ノブコブの吉村さんは5000万円も出資したようです。
そのため元本保証はありません。
高利回り且つ元本保証=怪しい、危ない、嘘と考えて頂いて問題ありません。
高リスクを負って運用しているため、高利回りを実現できるのです。
ポンジ・スキームの特徴
いずれかの特徴に当てはまった場合はポンジ・スキームである可能性が非常に高いと考えましょう。
元本保証であることが多い
元本保証の投資は世の中に存在しません。
元本保証を謳うことは法律違反です。
勧誘されたら法律違反と言って一蹴しましょう。
高利回り運用を約束する
利率30%、月利5%など高利回りを提案してきますが、あり得ません。
一代で10兆円もの資産を築いた投資の神様ウォーレン・バフェットがいます。
ウォーレン・バフェットさんが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの50年間の年間平均リターン(複利)は、驚異の20%です。
インデックス投資で人気であるS&P500は1957年に導入されて以来、年平均で約10%の上昇率です。
利率30%、月利5%がどれほど高いか理解して頂いたと思います。
配当金を約束する
ポンジ・スキームは最初は配当金を支払って相手を信頼させる手口でしたよね。
証券会社時代に、毎月分配型の新興国の投資信託を扱っていましたが、今は減配している投資信託が多いです。
配当金も不確実性が高いです。
海外物件の投資である
気軽に現地に行って確認できない海外物件もポンジ・スキームの可能性が高いです。
実在しない海外物件を高利回りと謳い提示してくる詐欺師もいます。
国内物件のポンジ・スキームでは「かぼちゃの馬車事件」が有名ですね。
女性専用のシェアハウスで30年間賃料を保証し、利回りは8%でした。
先ず、30年間の賃料保証という点がいかにも怪しいですね。
紹介料が発生する
紹介システムを導入しているポンジ・スキームもあります。
友人が出資したら、紹介元に手数料が入る仕組みです。
詐欺が広がり被害が拡大するだけなので、友人が騙されていたら目を覚ましてあげましょう。
シンガポールに会社がある
最近シンガポールに会社があると言い騙す手口が非常に増えています。
法人税が安く、様々な金融機関が進出しているため、シンガポール=信用できるというイメージが先行しているのでしょうか。
住所がどこであろうと全く関係ありません。
最後に
不動産投資、FX、未公開株、仮想通貨、暗号資産など様々な形を変えて現在でもポンジ・スキームが横行しています。
共通点は元本保証、高利回りです。
契約書の取り交わしがないパターンが多く証拠が残らないため、残念ながら基本的に出資金が戻ってこないようです。
少しでも怪しいと思ったら、信頼できる友人に相談して詐欺を未然に防ぎましょう。