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元証券会社出身が語る証券会社の実態【Part1】

・証券会社はどのような営業活動をしているの?

・ノルマが辛いって本当なの?

という人向けに、証券会社で営業活動をしていた僕が赤裸々に告白します。

 

皆さんは証券会社というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

  • お客様の資産を増やしている仕事
  • 高額な取引を成立してカッコイイ
  • デスクの上にモニターがいくつもあってインテリな仕事

 

このようなイメージをお持ちではないでしょうか?

 

証券会社は社会でのステータスが未だに高いです。

そのため、良いイメージが先行しています。

 

しかしながら、証券営業の個人営業は一言で表すなら泥臭いです。

証券会社の営業職の裏話をまとめてみました。

営業職に従事している人、営業職に興味のある人にとっても面白い内容になっているので、是非お読みください。

 

入社1年目〜3年目まではとにかく新規開拓

 

 

本社で約2ヶ月間の研修を終え、支店配属から1週間が過ぎたある日のことです。

僕のデスクに地図が置いてありました。

 

先輩のチューターに質問したら「これがお前が担当するエリアだから。このエリアを新規開拓をしろ」でした。

どの営業会社の営業マンも担当エリアを持ち、営業活動をします。

会社によっては業界・企業の粒度でセグメントしているかもしれません。

 

証券会社の担当エリアは住宅街です。

お金持ちのお客様に口座を作って頂くために、高級住宅街が対象になります。

僕も例外なく高級住宅街を担当エリアとして担当させて頂きました。

 

証券会社の入社1年目〜3年目まではお客様の口座の引き継ぎはありません。

お客様は営業自身が新規開拓をしていきます。

 

新規開拓の方法は2通りあります。

①電話営業(テレアポではありません)

②飛び込み営業

 

※架電=電話を掛けること。

 

①の電話営業についてです。

法人営業は企業リストに対して架電→アポイントを取得→商談という流れです。

 

リテール営業個人宅の電話番号に架電をします。

アポイントの取得はほぼ不可能です。

数年在籍して2回だけアポイントを取得したことはあります。

ですが、たったの2回です。

 

ここで疑問なのが、何故架電をするのか?です。

下記のようなヒアリングをして見込み作りをし、飛び込み営業に繋げるためです。

  • 証券会社と取引しているのか
  • 銀行で投資信託を保有しているのか
  • 定期預金が満期を迎えるかどうか
  • 投資に関心があるのか

 

皆さんは自宅に営業電話が掛かってきた経験はありますか?

電話が掛かってきたらいかがでしょうか?

絶対に嫌なハズです!!

 

電話を掛けたら、すぐにガチャ切りされます。

 

集約するとこのような断り文句が多かったです。

  • 無言のガチャ切り
  • 証券は結構です
  • 忙しいから
  • 二度と電話してくるな

 

担当エリアはせいぜい200件〜300件のリストです。

 

僕も同期も午前中は100件〜200件架電で見込み作り。

午後は飛び込みというタイムスケジュールでした。

 

200件〜300件のリストのため2日で1周します。

1周したら同じリストに再度架電します。

何周も同じリストに架電するので、同じお客様に30回架電したこともあります。

当時の会社の先輩はお客様に架電し過ぎて、とあるお客様から電話で「公害」と言われたそうです笑

 

また、お客様によっては何度も営業電話を掛けてくる会社名と営業担当の名前を覚えています。

飛び込み営業した際にお客様に1時間説教されたこともあると先輩は言っておりました。

勿論、僕もお客様に怒鳴られたことがあります。

帰社してリストと照合してみると30回以上架電したことのあるお客様でした笑

 

架電や飛び込み営業をし尽くして初めて、隣町へ担当エリアを広げて良いと先輩から許可を得ます。

 

死ぬほどキツかった飛び込み営業の日々

 

 

飛び込み営業=個人宅にピンポンして挨拶&金融商品の提案です。

 

突然ですが、あなたは知らない個人宅にピンポンができますか?

 

僕は怖くて、手が震え、ピンポンできませんでした。

未だに最初にピンポンした時のことを鮮明に覚えています。

 

築20年以上経っているであろう戸建住宅の前で、怖くてピンポンができず、一旦離れました。

住宅街をウロウロし、同じ支店の同期に電話しました。

ごん「お前、飛び込みできた?」

同期「もう10軒以上飛び込みしてるよ」

絶句しました笑

 

負けず嫌いなので、勇気を出してピンポンしました。

留守でした笑

 

全てに共通しますが、一度実行すると、二度目は楽ですよね。

その日は100軒以上は飛び込み営業をしたことを覚えています。

 

飛び込み営業をした際のお客様の反応は3パターンあります。

①居留守

②モニターフォン越しでの会話

③お客様が玄関まで出てくださり会話

 

居留守はよくあります。

何故ならば、スーツ姿の人が突然来たら間違いなく、営業マンだと分かりますよね。

そのため、モニターフォンで営業マンと分かると居留守をされます。

 

モニターフォン越しでの会話がパターンとしては一番多いです。

何故ならば、顧客視点で考えると、直接会いたくないからです。

直接会ってしまうと、どのような金融商品を営業されるか分からないから怖いですよね。

そのため、モニターフォン越しで断られることがケースとして多いです。

 

客様が玄関まで出てくださり会話

顧客心理としては下記が考えられます。

①頑張っている営業マンと、自身の社会人時代を重ね合わせる。

②投資に関心があり、話を聞いてみたい。

③よく分からず、玄関まで出てしまった。

 

玄関まで出てくださると3人に1人は口座開設してくださります。

何故ならば①は優しいお客様であり②はニーズが顕在化しているためです。

③のように、何かと理由を付けてお客様に玄関先まで出て頂いたことがあります。

しかし、口座開設まで至るケースは非常に稀です。

 

死ぬほどキツかったのは夏の時期の飛び込み営業です。

猛暑の中、ジャケットを着用して1軒1軒飛び込みしていました。

革靴なので、足への負担が大きく、毎日ふくらはぎがパンパンになりました。

 

右手にはビジネスバッグ

左手にはお客様にお渡しする大量の資料が入った紙バッグ。

荷物が重い中、1軒ずつピンポンしていました。

 

喉が非常に乾くため、自動販売機でドリンクを買います。

そのドリンクをバッグに入れると更に荷物が重くなることが悩みでした。

 

暑いためシャツとズボンが汗で肌にへばり付きます。

真っ黒に日焼けして、100軒〜200軒の飛び込み営業をします。

体力と精神を削られる日々を過ごしました。

夏の時期の飛び込み営業は死ぬほど辛かったです。

 

結果として、証券会社から転職しましたが、社会人生活の中で証券会社での経験が一番辛かったです。

 

管理職になり、大変なトラブルに見舞われることもあります。

ですが、証券会社時代のことを思い出すと不思議と「証券会社時代を比べると辛くはないな」と楽な気持ちになります。

 

良い意味でも悪い意味でも証券会社で貴重な経験をさせて頂きました。

 

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